ブログ(レシピ本の紹介など)

レシピ本の紹介を中心に料理関連のブログ

料理のなかの小宇宙『レザンファン ギャテのテリーヌ』

料理歴15年にしてはじめてテリーヌにハマりました。きっかけは代官山の「レザンファンギャテ」に伺って、なんじゃこりゃ〜。美しいウマい! 本のタイトルに小宇宙とありますが、アートじゃんかというプレゼンテーション。それまでテリーヌなんて、オードブルか保存食でしょと思ってました。松澤シェフすいません、浅はかでしたw。

さてテリーヌ関連本、書店でいろいろ拝見しましたが、やはり「レザンファン」に敬意を表して(世界文化社2014年9月刊)この本を購入しました。

美しい・・・すごい手間掛かっている、というレベルです。

1)四季を感じる旬菜テリーヌ(14点)、2)伝統の一皿とアレンジテリーヌ(12点)
3)リエットやパテ〜フランス常備菜風のテリーヌの仲間達〜(7点)、4)デザートテリーヌ(10点)、5)テリーヌが流れを作るおもてなしスタイル(コース2種:計7点、パーティ2種:計10点)と、テリーヌ以外のレシピも少し紹介があります。

もうちょっと入門的な素材でもやってよ~と言いたくなりますが、ミシュラン☆ですから、妥協はありません。

型はストウブのハーフを推奨、アルミホイルやラップの入れ方など基本的なことのヒントになる記事もあります。

やってみると分かるのですが、材料いれて湯煎で焼くだけなので仕込みのあとは楽ちんですが、焼きあがった後に、きれいに取り出して切って仕上がりの断面がどうなったか見るというのがもっとテンションあがる瞬間です。

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じつはテリーヌというのは、テリーヌの型を使っていればなんでもよしというザックリした定義らしい。とはいえ、代表的なものはパテドカンパーニュのように湯煎で火をいれるものか、ゼラチンなどで冷やして固めたものの2パターンです。

この本にも伝統的な料理(例えばラタトゥイユ)からテリーヌにコンバージョンするという例が紹介されていたり、海老芋と海老のテリーヌのようにダジャレから発想したと記されていたりして、イマジネーションを働かせてクリエイトしている様子が読み取れます。手に入りやすい食材をつかって、オリジナルで広島焼風テリーヌとかやってみいいのでは~?と思っています。(972字)

 

レザンファン ギャテのテリーヌ

レザンファン ギャテのテリーヌ

 

 

 

『蒸すっておいしい』

 昔、横浜の中華街「照宝」でセイロを衝動買いしたものの、焼売ぐらいしか出番がありませんでした。

 こちらの本(文化出版局2000年11月刊)を手に入れて、茄子やジャガイモを蒸したり、エビのすり身を作ってレンゲにのせて蒸したり、色々とバリエーションができました。

 なかでも簡単で美味なのが蒸し魚。内臓とって鱗を落として、ごま油、ナンプラー、ショウガなどを加えて蒸すだけで、お~っと感動の美味しさです。

 魚をグリルで焼くとあとの片付けが面倒ですが、蒸すだけなのでラクチンです。著者はNHKの料理番組にもよく登場する吉田勝彦さん。代々木上原の「ジーテン」のオーナーシェフ。余談ですが、吉田を中国語読みをするとジーテンなんだそうです。

 レンコンで海老とひき肉を挟んで蒸すのも簡単で食感が楽しめます。シュウマイや餃子のタネが余っても、挟んで蒸しちゃえばいい感じです。

 あと興味深いのが蒸し餃子にもシュウマイの皮を使うところ。つるりとした触感を味わうためだそうです。そもそも餃子とシュウマイの違いは?”あん”を筒込みこむのが餃子、”あん”をどこかで見せるのがシュウマイなんだそうです。

 レシピ本の内容は、「蒸して冷ます」5品、「器ごと蒸す」8品、「ご飯、麵を蒸す」4品、「包んで蒸す」9品、「揚げて蒸す、蒸して炒める・・・」7品、「魚介を蒸す」3品、「蒸すデザート」4品、「蒸しスープ」3品ですので、合計43で〜す。

 最近、チューボーですよを見て、肉まんにトライしましたが、出来たては肉汁ジュワーで感動しました。蒸し料理はいいですね。

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パール金属 和の里 中華せいろ 21cm H-5714

パール金属 和の里 中華せいろ 21cm H-5714

 

 

『ビストロ仕立てのスープと煮込み』その2

「鶏肉の煮込みヴィネガー風味」以外によくリピートするのは、「オニオングラタンスープ」「インド風チキンカレー」「ロールキャベツ」。

今はなまけて飴色タマネギを作るのに圧力鍋を使っちゃいますが、フライパンで根気よく炒めるとタマネギが褐色になって最初に入れたバターの油がうっすらと浮かび上がるのに妙に感心したことがありました。

チキンカレーも鶏肉にきっちり焼き色を付けてから煮込むので、うまみが閉じ込められるようで、試したことなければトライしてみてください。

ロールキャベツはタマネギ・ニンジン・セロリのマティニヨンのトリオを種にいれるので、タマネギオンリーより深い味が旨みとなっておすすめです。

あと1/3Pでさりげなく紹介されている「トマトのコンソメ」も最近はあちこちでトマトのジュレとして散見しますが、ミキサーかけて、アスコルピン 酸1g加えて、ひと晩ねかして分離させて、果実部分をよけて、ゼラチンで・・・という手間のかかる一品ですが、暑い時期のおもてなしの前菜にすると、爽やかでおすすめです。(442字)

ビストロ仕立てのスープと煮込み―Joie de la cuisine menagere (別冊家庭画報)

『強火をやめると、誰でも料理がうまくなる!』

(講談社+α文庫) [Kindle版]2013年8月刊。

麻布十番で料理教室を主宰するという水島弘史シェフの本。

ロジカルとか、科学的とか、謳っていると気になってしまうので、とりあえずキンドル版をゲット。

・低速で加熱することで、しっかり火を通し、タンパク質をアミノ酸に分解し、うまみ成分に変える。

・塩分を0.8%~0.9%が人の体液の塩分濃度と同じで、これを美味しく感じるはず。

・100gの肉は80gに焼き上げると美味しい。

など、なるほど料理の基本をロジカルに再確認できました。

レシピはハンバーグやとんかつ、ステーキ、ローストなど基本的なものばかりですが、著者の続編がいろいろあるので、ロジックでなく、レシピを求める場合は、それらの本を買った方がいいでしょう。私もほかに2冊ほど買ってみたので近々こちらでご紹介します。(339字)

 

強火をやめると、誰でも料理がうまくなる! (講談社+α文庫)

強火をやめると、誰でも料理がうまくなる! (講談社+α文庫)

 

 

『ビストロ仕立てのスープと煮込み』その1

料理に目覚めた(?)きっかけは、神楽坂の名店「ル・マンジュ・トゥー」のオーナーシェフ谷昇さんの『ビストロ仕立てのスープと煮込み』という私にとってバイブルのようなレシピ本。2001年の発行(世界文化社)から重版を重ねているロングセラーです。

 シゴトの打ち上げで、故人となってしまったライターのOさんが予約をしてくれて食事をした際に、お店にあったこのレシピ本を購入させて頂いた。それまで料理をほとんどしなかったのだから、今思えば天啓と言えるような運命的な出会いだったかも。

 にもかかわらず、谷昇シェフのお店には実はこの時を含めて2回しか行ったことがないという不義理。いちど記念日に予約を入れたのだが、不慣れなことをしたせいか、発熱でキャンセルというご迷惑をおかけして畏れ多く足が遠のいてしまいました。

 さて巻頭に11のコツや調理道具の紹介があって、肉の味は煮込む前につけるとか、先に濃い焼き色がつくまで焼くとか、丁寧な説明があり、ド初心者だった当時は興味津々で読んでやる気になりました。レシピは、シチュー11、つけ合わせ20、スープ20、各地の煮込み10あります。かれこれ半分近くはトライしたレシピ本はこれ一冊だけかもしれません。

 長年リピートしているのは、なんといっても鶏肉のヴィネガー風味(97p)、元来リヨン周辺の地方料理だったそうです。骨付きもも肉を焼いて、にんにく・トマト・ヴィネガーで煮込んで、ソースを裏漉しするとビックリの味なのです。

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 普段、うちでは二人前の半量でやりますが、4人前ぐらいでやると格段に美味しいです。ですので、半量でやるときは手羽元などを追加するといいソースができて、ハッピーな仕上がりになります。(697字)