ブログ(レシピ本の紹介など)

レシピ本の紹介を中心に料理関連のブログ

『狐野扶実子のビストロ料理-フライパン一つでパリの味』

2011年11月刊。ダンチューを出しているプレジデント社のレシピ本。

「前菜」8品、「メイン料理」7品、「デザート」5品、「パリのビストロ名店のレシピ」5品と「コノフミコの魔法の手」8手?!。

 ひとつのレシピを4ページ使って、写真もきれいでプロセスの写真が細かくいれたページがあったりして、手順をイメージしやすいところが好ましいです。

 アラン・パッサールの「 アルページュ」のスーシェフを務めたこともある著者のエッセンスは、「魔法の手」のページにあるようです。

「豚肉を焼く」「かぶをゆでる」「舌平目をブレゼする」「帆立を焼く」「アスパラをソテーする」「そら豆を焼く」「羊を焼く」「鶏肉を煮込む」という8手を紹介しています。 

魔法の手>豚肉を焼く(112P)では、「肉を焼くときにはヤケドさせてはいけないんです」「ストレスをかけないように」と。

 いわく「手で触り肉の状態を確認し、耳を澄ませて肉の声を聞く。チリチリと囁くような音なら大丈夫。音が大きくなって、パチパチ、あるいはジャーッと弾けて、怒っているような音がしたら、火が強すぎて肉がストレスを感じている・・・」

 で「指先に伝わる熱や弾力によって火の通り具合を判断します」ときて、

最後に

「・・・ストレスをかけないようにゆっくり焼くか、が基本です。ただ今回は豚ロース肉の塊を焼きましたが、同じ豚肉でもバラ肉だと火の通し方が違ってきますし、肉の種類や部位になどによっても、変わってきます」とちょっと突き放してきます。むむって感じですよね。

 とはいえ、かぶは「気持ちよくお風呂に入っているようにゆでます」とか、舌平目は「白ワインに浸し、水分を媒介にして弱火でゆっくりゆっくり熱を加えて、蒸し焼きにする」とか、アスパラは「バターやオリーブオイルでコーティングしながら、ゆっくり焼いていく」というわかりやすい説明があったりして、感性が前面でもなかったりして面白いっす。

 フライパンひとつ・・・というタイトルですが、手軽にできる初心者向きと思うとマッチしませんが、著者と感性が合う人にはおすすめかも。(867字)

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狐野扶実子のビストロ料理 ―フライパンひとつでパリの味

テリーヌの型

 今日のお題はレシピ本ではなくて、テリーヌの型。家でパテなど火をいれたい時に、ほどほどの大きさでないとグリルに入らなかったら洒落になりません。

 うちは、デロンギのコンベクションオーブン(EO12562J)を使っていますが、いわゆるレンジグリルよりは背が低いので、けっこうギリギリです。その分熱効率はよいらしく、以前40分ほどかかったチキングリルも20分くらいで焼けます。

 さて『レザンフォンギャテ・・・』のレシピ本のオススメはストウブのハーフ型でしたので、それをゲットしました。いいお値段で、重さもずっしり。少しでも安く買おうと合羽橋までいきました。幅はいいのですが、背の高いつまみの部分が引っかかってしまった(^^;ので外して使っています。偶然ですが、たまたまそこから金串を刺して温度をみるにはちょうどいいのです。蓋を外すときは火傷しないように注意が必要ですがw。

 またブログで参考になることを記してくださっている『艸SOUの作り方』では、レヴォル社のテリーヌ型19.5cmがオススメだったので白を探して求めて買いましたが、ディスコンとなってしまったらしく、今では手に入らないようです。ストウブは鋳物ですが、こちらは耐熱磁器です。パテなどを焼くときは、ゆっくり火を入れたいのでこうした素材の型が好ましいとのこと。

 写真で分かるようにストウブに比べてレヴォルの方が細長いかんじ。どちらも容量が600cc位なので、細身に作りたい時はレヴォル、がっつり行きたい時はストウブを使っています。パーティ持ち込みのときは、両方使ってギリギリで焼いています。

 ルクルーゼにも小さめで重し付きの型があるようですが、少し背が高そうなのでうちのグリルはダメかもしれません。

 写真の通り、バットに湯煎しますが、うちのグリルでは18面取りのバットがマックスですが、ストウブとレヴォルが同時にのっかるという偶然に恵まれました!(801字)

 

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『瀬戸内「やまくに」のいりこで毎日おかず』

内田さんの『やさい塾・・・』がよかったので、和食関連は素材などアプローチしている方が参考になるのではと思っていたところ、たまたま見つけたのがこの本。2016年4月女子栄養大学出版部刊(シブい)。

最近ダシは、昆布といりこを一晩二晩水出しして使っていたので、気になってゲットしました。

「やまくに」は香川県のひうち灘のカタクチイワシで明治20年創業の会社なのだそうです。うちは長崎県産を使っているので、今度在庫なくなったら「やまくに」を探してみようと思いますが、レシピによると1Lで5尾分というのでけっこう大きい立派なサイズなのではと思われます。

 ふつう1Lに10gと言われていますので、サイズが小さいうちの長崎産では5尾というより、ひとつかみって感じです。ワタもエラもとらずにいれしまっているから、味変わるかな〜と、ワタとエラをとって軽くフライパンで炒めて、パリパリさせて水出ししてみました。たしかに雑味がないけれども、上品すぎるかも。煮出してみてもあまりかわりません。

昆布ダシを加えるとさらに上品になった印象。 昆布といえば60度で1時間というのが実験でもっともよいという話がありますので、これは炊飯器の保温で鶏ハム作ったりしたので(70度くらい?)、保温でやってみましたが、炊飯器3合炊きに替えてしまったので、保温力がないので、温度が少し低かったかも。こちらも要研究ですね。佐々木のご主人は昆布はレシピの倍くらいいっちゃって下さいとどっかで書いてましたね。

 本の内容ですが、「基礎知識」と「毎日のごはん」と「いりこ活用術」の3部構成。基礎知識は「やまくに」さんの紹介やダシのとり方。ごはんのレシピは「おみそ汁とお吸い物」が5品、「いりこだしで毎日おかず」が16品、「ボリューム満点のごはんもの&麺」が10品、「いりこだしを味わうスープ&鍋」11品と盛り沢山です。さっそくおでんを試しました。きゅうりのレモンスープとか暑くなったら試したいです。

 活用術にはいりこをお酒、醤油、ポン酢、オリーブオイルなどに漬けて、たれとして使いましょうという応用編。だしがらの再利用レシピなどもあって、ぜんぶ頂きましょうというスタンスが好感が持てます。弓田さんのルネサンスごはんにも共通していますね。

 (なぜかアマゾンでは大型本となってますが)A5判とこぶりで1200円112Pながら盛り沢山でオススメです。(1082字)

 

瀬戸内「やまくに」のいりこで毎日おかず

瀬戸内「やまくに」のいりこで毎日おかず

 

 

 

 

 

『内田悟のやさい塾春夏』

築地で御厨というレストラン向け青果店を営む内田さんの本。大判でビジュアルが美しく、野菜がおいしそうです。

春の旬では「菜の花」「根三つ葉」「トマト」「せり」「たけのこ」「セロリ」「うど」「山菜」「クレソン」「レタス」「アスパラガス」「そら豆」「ふき」、夏の旬では「ピーマン」「しょうが」「さやいんげん」「きゅうり」「ズッキーニ」「オクラ」「枝豆」「なす」「冬瓜・白瓜」「とうもろこし」「にんにく」「アボガド」が取り上げられています。

多くの野菜が温室で育てられ、1年中出回っていますから、旬がいつだったか忘れかけてますので、この本で再確認できるのもいいところです。「冬瓜というのに夏野菜とはこれいかに?→丸のまま冷暗所におけば冬まで日持ちするから」だそうです。

「そら豆」「枝豆」などさやから出して食べる豆は沸騰した湯にいれて、下がった温度を保って弱火で沸騰させず、じっくり火を通すとデンプン質が糖化して、甘みがでる!

走りのピーマン、パプリカ、ししとうがらしなどは丸ごと焼いて食べると美味しい!など色々発見があります。アボガドもつぶして、水で濃度を調整して、裏ごしすればいいそうで、きれいなソースが出来そうです。

菜の花にわさびをあわせて頂くという贅沢な提案もあったりして楽しい本です。入門者セミプロも一家に一冊あっていいかも?!(561字)

 

内田悟のやさい塾 旬野菜の調理技のすべて 保存版 春夏

内田悟のやさい塾 旬野菜の調理技のすべて 保存版 春夏

 

 

『水島シェフのロジカルクッキング2』

『水島シェフのロジカルクッキング』2012年10月亜紀書房刊の続編(応用編)です。1が本棚に埋もれてしまったので、こっちをレビュー。

前編には1ヶ月でプロ級の腕になる31の成功法則とあって、定番料理を含めて31のレシピが紹介されてましたが、『~2』は徹底マスターできる25のレシピです。

水島シェフの法則は3つで、「塩加減0.8%」「火加減」「毒だし」をいかにするかというロジックがポイントで、再現性の高さを強調しています。

『~2』は、スープ・前菜・サラダで8つ、ソテー・フライで8つ、煮込み・ポシェで9つです。前作はすべて動画があったのがウリでしたが、今回は動画は3点のみです。

フライで肉を調理するときも、肉がつかるの半分量以上の冷たい油から!ということです。私も肉を焼くときはニンニクの香り出しとかしないときは、フライパン冷たいままからやっていますが、フライはまだ試したことがありませんが、ゆっくり火をいれるという意味ではOKなのかもしれません。

塩分は焼き上がりの0.8%がマストなのですが、それを意識するしないではだいぶ変わりますので、水島シェフのいうとおり、1/10mlの軽量スプーンを備えてみるのはありかもしれませんね。(513字)

 

水島シェフのロジカルクッキング2 [動画付き]プロ級レシピ徹底マスター

水島シェフのロジカルクッキング2 [動画付き]プロ級レシピ徹底マスター

 

 


 

『じゃがいもフレンチ』 斉藤美穂

2009年10月刊。柴田書店にしては1900円と(税別)リーゾナブルな価格設定。

ところが、使うじゃがいもは「シンシア」「シェリー」「チェルシー」「サッシー」「男爵」「メークイン」「ノーザンルビー」「シャドークイーン」の8種類なのです。一般に流通しているのは男爵とメークインくらいですから、ハードルの高さにまず、しびれます。

レシピは、じゃがいものサラダ9つ、前菜18こ、スープが7つ、揚げが9つ、じゃがいもの料理28、スイーツが8つと分かれています。著者はもともとメキシコでロブションの弟子の元で修行、パリへ渡り、ロブションの元で修行とあります。余談ですが、なかなか女性がシェフとして活躍するのはハードルが高いのか、お店を構える女性は少ないですね。

コロッケは30秒くらいあげて、残りはオーブンで火を通すと軽い仕上がりになるとか、ピンチョスのイモは100度で45分かけて火をいれるとか、手間を惜しまない手法が紹介されています。

グラタンやポワレなどベーシックなフレンチっぽいですが、初心者にはちょっとハードルが高いかも〜。柴田書店だから、やむなし。(472字)

 

 

じゃがいもフレンチ―煮る・焼く・蒸す・揚げる-じゃがいもを使いこなす79品

じゃがいもフレンチ―煮る・焼く・蒸す・揚げる-じゃがいもを使いこなす79品

 

 

『ビストロ流おいしいソース・レシピ』

『ビストロ流ベーシックレシピ』の続編でしょうか。ソース別のレシピが紹介されていて、ベーシックより少しハードルが高く、新たなチャレンジしたい人にはぴったりの内容です。

 巻頭に究極のフォンとして鶏のコンソメと牛のブイヨンを紹介。ソースが大きく6つに分類されていて、それを使った料理をのレシピが掲載されています。

 白いソースが7種とそれを使った14のレシピ。茶色のソースが5種と9つのレシピ。乳化のソースが5種と9つのレシピ。野菜のソースが4種と9つのレシピ。その他のソースが6種と11のレシピ。伝統料理から生まれるソースは5種と12のレシピ。合計すると、ソースが32種、64のレシピになります。

 どれもこれも写真が美しいせいか、おいしそうで手間をかけてもつくってみたくなります。たまたま牛のグラスフェッドど挽肉を買ったので、簡単ソーセージ(p38)を試しました。本では鍋でゆでる方法をメインで紹介していますが、加熱はフライパンで空焼きする方法もあるというので、そちらを試しました。シンプルでおいしいです。パーティー用なら、テリーヌの型に入れて湯煎で火を入れても良さそうです。

 トマト好きなので、「ソース・トマト」「クーリ・ド・トマト」はシンプルで何にでも使い回しがききそうです。黒オリーブを使う「ソース・タプナード」も、普通のオリーブでとりあえず試しましたが、そのままバケットにのせても美味しかったです。

 個人的にはマッシュルームを使うもの、ロックフォールを使うもの、ビールを使うもの色々試したいものが満載です。なんか料理が少しマンネリ化してるな〜、という達人?!におすすめ1冊です。(667字)

 

ビストロ流おいしいソース・レシピ ル・マンジュトゥー谷 昇シェフの

ビストロ流おいしいソース・レシピ ル・マンジュトゥー谷 昇シェフの